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ビジネスフローを明確にした上でWeb制作をスタートしよう

Web担当者(ならずともそうであるが)として、自社のビジネスフローを明確に理解していることはWebを運用する上で重要なことだ。
 
Webサイトを活用する際、自社ビジネスフローの中で、どのようなポジションにWebサイトがあるのかを明確にしておく必要があるからだ。そうでなければ、Webサイトの役割を具体的に示すことが出来ず、運用のための指針が曖昧になる。その結果、なんとなくアクセス数だけを気にしているという企業も少なくない。
 
以下によって一度あなたの会社のビジネスフローをまとめてみよう。
 
 

1.誰の何を解決するサービスか?

あなたの会社が提供しているサービスによって誰のどのような悩みが解決されるのか、具体的に書いてみよう。例えばあなたの会社が工務店であれば家が欲しい人に家を提供するというのは当たり前だ。
 
家が欲しいというのは悩みというよりは、欲求そのものであり、それを満たしてくれる会社はどこにでもある。
 
悩みはもっとその奥にある。
 
例えば本当に安心して暮らせる住宅や、子供が増えてもリフォームしやすい住宅が欲しいなどの具体的な欲求に対して、どこを選んだらよいかわからない、というところまで落とし込んで考える必要がある。
 
もちろん周りに家を作れる会社がないところにおいては、家を作れることそのものが悩みの解決になるかもしれないが、すぐにライバルが現れるだろう。
 
 

2.ターゲットを書き出す

できるだけ細かくターゲットを絞り込もう。それによって人の悩みがよりリアルに見えてくる。
 
そして、ターゲットの普段の私生活を仮説立てすることで、アプローチ方法を具体的に検討することができ、検証をすることもできる。
 
例えば、家が欲しい人がターゲットの場合、30代前半の夫婦で子供は未就学児が1人の3人暮らし、予算は3,000万ほどで、車通勤、夫はIT系の仕事で平日は毎晩帰宅が遅い、など、具体的に絞り込む。
 
ここから読み取れる情報としては、どんな家が欲しいかに加えて、仕事が忙しく夫婦で住宅のことを話せる時間が平日は少なく、夫に比べて奥さんの方が積極的に工務店探しに精を出しているかもしれないといった情報だ。
 
そうするとターゲットにあなたの会社を認知させる方法としては、ターゲットを奥さん側に絞り、女性目線での住宅選びを訴求することで広告効果がより発揮できるかもしれないと考えることができる。あるいは、女性に人気のある雑誌の広告枠を使ったり、Instagramなど女性受けしているツールを使ったアプローチも考えられるだろう。
 
 

3.解決手段は何か?

解決手段としてどんな方法を採用しているか具体的に説明できるようにしよう。
例えば、子供が増えてもリフォームしやすい住宅が欲しいといった要望に対しては、リフォーム時に簡単に取り外せる壁を採用することなど、一般的な技術はもちろん、あなたの会社ならではの工法や機能性を伴った面白い方法など、他とは違うやり方が明示できればそうしよう。
ただ、技術的な内容では競合と勝負するにも限界があったり、結局コスト勝負に持ち込まれることも多いので、ここでは提案力を訴求することも大きなポイントだ。
 
ユーザー個々の状況に合わせた提案をいかにユーザー目線でプレゼンできるか、そういったプレゼンが自社で可能な理由なども含めて、この解決手段をまとめておけると、Webでプロモーションをする際にすこぶる役に立つ。
 
 

4.他社のサービス含め、解決手段を書き出してみる

競合他社は徹底的に調べるべきだ。競合が何をしているのか、どのようにしてユーザーの悩みを解決しているのかを調べて整理しよう。
強みとしているところはもちろん、それをどのように訴求しているのか、そしてトップページからどのような導線がひかれているのか、コンバージョン(目的の達成:資料のダウンロードなど)としているものは何か、つまり他社の強みは何で、それをどのような導線でユーザーにアプローチしコンバージョンさせているのか、という情報を集めておきたい。
他社のWebサイトを客観的に見ていると穴がよく見えるもので、こういったことは勉強にもなる。
 
もちろん、いうまでもなく競合他社の調査は制作会社でもやる必要がある。
あなたの会社の定量的なデータ、営業部などからの定性的な情報が、競合他社との比較においても重要になってくる。制作会社としては、このような定量的、定性的な両面からヒアリングをするし、独自の調査もする。
 
ただ、制作会社単体ではどうしても気づけないことがあるのも事実だ。業界により詳しいのは制作会社ではなく、あなたの会社だ。あなたの会社の視点から見た競合他社の調査結果はWeb制作に大きな影響を与える可能性がある。
 
 

5.なぜあなたの会社の解決手段が優れているのか

競合他社がある中であなたの会社が選ばれるには理由があるはずだ。
 
その選ばれる理由はあなたの会社の強みであり、ユーザーがもっている悩みだ。他社との競合比較をする際に、どうしても技術的な比較、コスト的な比較をしてしまうことが多いのだが、提案力や仕事のしやすさ、確実さ、スピードなどあらゆる面で他社と差をつけるポイントはある。
 
つまり、どこの領域で勝負するか、思っているより多くの選択肢があるということだ。
競合をリサーチすることで、どのような領域があるのかを知ることもできるし、自社で対応できていない領域を知ることもできる。
 
なぜあなたの会社が選ばれているのか、それはおそらくあなたの会社がユーザーが持っている悩みに対して素晴らしい解決手段を提供しているからだろう。
 
なぜその解決手段が素晴らしいものであるか、これはあなたの会社の商品・サービスにとってコアとなるものであるはずだ。Webサイトの訴求でも使えることであるから、しっかりとまとめておこう。
 
 

6.ユーザーが顧客になるまでのフローを書き出す

ユーザーはどうやってあなたの会社の顧客になるだろうか?
 
ここであなたの会社が打っている戦略をフローに書き出してみよう。自社の戦略を知った上で、Webサイト制作しなければ戦略的なWebサイトはできないし、何をどう運用したらいいかも当然わからない。
これは以下のようなAIDMAやAISASのような消費活動モデルを使って考える。
 
 
認知→興味→欲望→記憶・比較・検討→購入
 
このフローを元に、ユーザーとの接点を洗い出し、どういう訴求ができているのかを考える。
接点を洗い出す意味はいくつかあるが、各接点におけるユーザーのメリットの整理や統一されたブランド観の訴求などがあげられる。
 
 

6−1.ユーザーとあなたの会社との接点(広告など)を洗い出す

接点はあらゆるところにある。
 
・認知:ユーザーがあなたの会社を知ることになる接点
・興味:ユーザーがあなたの会社のWebサイトを閲覧している状態(接点)
・教育(記憶・比較・検討):あなたの会社から届くメルマガやパンフレットによってユーザーがあなたの会社についての理解を深める接点
・購入:商品の購入を決め、Webサイトや店舗を通して商品を購入する接点
・アフターフォロー(購入後):ユーザーがサービスを使い始めた後、あるいは納品後に訪れるカスタマーフォローの接点
 
 

6−2.接点におけるユーザーのメリットの整理

「6−1」で洗い出した接点すべてにおいて、ユーザーにとってのあなたの会社の価値を伝えなければならない。
 
あるいはあなたの会社の価値を知る布石となるようにしておくべきだ。(コンテンツマーケティングのように、直接商品・サービス価値を伝えるというよりは、商品・サービスとは関係なく単にユーザーに有益な情報を流すことで、会社に対する認知度とイメージをあげる方法もあり、有効である)
 
各接点において、あなたの会社がどのようにユーザーに訴求できているかを整理することは、例えば、Webサイトが訴求に優れているが、名刺やパンフレットはいまいちだ、という状況を見直すきっかけとなる。
 
Webサイトや名刺、パンフレット、電話対応まで含めこれらユーザーとの接点ポイントはすべて営業ツールだ。これらの営業ツールがユーザーの消費活動の促進において常に有利に働いているかは非常に重要だ。
 
ユーザーはあらゆるところからあなたの会社に接触している。Webサイトだけを営業ツールとして最適化しても、まだまだ取りこぼしているところはある。
接点=営業という観点ですべての接点においてユーザーがメリットを感じられる仕組みになっているか一度整理しよう。
 
 

6−3.ブランド観の統一

ブランドというのはユーザーが体験するあなたの会社についてのすべてにおいて、「あの会社は○○だ」という感覚を得てもらうために重要なものだ。
 
高級ブランドは商品そのものはもちろんのこと、接客においても、ユーザーが商品の箱を開けるタイミングのとき(つまり商品の箱)においても、電話対応のときにでもそのブランドならではの高級感を感じることができる。接客と電話対応は高級ブランドらしいが、箱はいまいち、ということはない
 
ユーザーがブランドと接するすべてのパターンにおいて、ブランド観を統一することで、ユーザーの中でその会社のブランドというのが一つの価値観になる。そこまでやることができれば、売り込まなくても売れる、つまりそのユーザーにとって必要なものとして位置づけされることになる。
 
 

7.ビジネスフローの中でWebの役割は何かを書き出す

これまで書き出してきたことを元にあなたの会社にとってWebサイトがどのような役割を担っているか明確にしよう。ビジネスは誰かの悩みを解決するという点ではシンプルだが、ユーザーの情報元が多種化する中で、集客方法もあらゆる方法が確立されてきた。
 
そんな中でWebサイトをどのようなポジションに位置づけるか、またWebサイトと連動すべきツール、例えばチラシやメルマガなどとの連携において、ユーザーがいかにシームレスに情報を取りにいけるかを考えなければならない。
 
 

8.まとめ

自社のビジネスフローについてより深く理解ができたのではないだろうか。Webサイトの制作を制作会社に任せる際に、こういった情報は非常に重要である一方で、Webサイトは作るだけであれば、「今のWebサイトやパンフレットを見ておいて」だけでも作ることができる。
 
ただ、Webサイトを作るということはそれなりの費用がかかるし、目的は売上げアップではないだろうか?
 
自社のビジネスフローを明確に把握できていない状況で制作会社に頼んでもよいものはできないだろう。もちろん制作会社がヒアリングすることは当然の仕事だが、各部署と連携した上で自社内でビジネスフローを一度まとめておく必要はあるだろう。