人の購買活動は論理と感情によってなされる。
論理による購買活動とは、いかにそれが良いのかを論理的に理解し納得することで購買活動を行うことを指す。
感情による購買活動とは、理屈抜きに直感的にそれを良いと感じ衝動的に購買活動を行うことを指す。
論理で攻めるビジネスもあれば感情で攻めるビジネスもあるが、基本的には偏りはあるにせよ論理も感情もどちらの要素も含まれる。
しかし、論理的訴求ができていても感情的訴求が上手くできていないWebサイトは多くある。感情的訴求をするにあたってデザインや写真の使い方など必要な要素がいくつかあるが、ストーリーマーケティングは非常に重要だ。ストーリーには人の心を打つ力がある。
そしてなにより、ストーリーマーケティングは(読み始めて)3分後にはターゲットの心を鷲掴みにできる驚異のマーケティングともいえるだろう。
Webサイトで初めてその企業のことを知ることはよくあることだ。そんな初めての接点であるWebサイトで、ユーザーと心で繋がることができたなら、どれだけ素敵なことだろうか。通常、自社商品・サービスの紹介や会社概要を載せているだけでは、ユーザーにメリットを感じてもらうことはできても、心で通じ合うことはできない。
心で通じ合うためには共感を得る必要がある。
ストーリーはそんな共感を得る力がある。人は有形物よりも目に見えない無形物に大きな感動を抱くことがよくある。プレゼントで何かをもらったときもモノに対する気持ちよりもその行為自体に感じる嬉しさの方が大きいことはよくあるだろう。
有形物を取り扱う企業の場合、Webサイトは目に見えない無形物の価値を付与することで他を圧倒する訴求ができる。類似商品ならストーリーに共感できる方を買うだろうし、同じコーヒーを飲むならストーリーを感じられる場所に行きたくなるだろう。
無形物を取り扱う企業の場合でももちろんストーリーは大きな力を発揮する。なぜなら人はサービスをどんな人から受けるかにこだわることがよくあるからだ。Webサイトにアクセスしてきてから、アポに繋げるまでに突破しなければならないハードルとして安心や信頼の獲得がある。Web上で安心や信頼を獲得するためにスタッフの顔を出したり、お客様と一緒撮った写真を掲載するなど様々な手段があるが、ストーリーも有効な手段として覚えておいていただきたい。
ではストーリーマーケティングとはどのようにするのだろうか。
世の中でシェアされるような感動的なストーリーはそう身近にはないだろう。誰しもがそんなストーリーを語れるほど簡単なものではないし、作ろうと思って作れるものではない。
ただ感動されることはできなくても、人柄や企業のイメージを良い方向にもっていくことはできる。このあたりはライティングスキルが大いに影響するだろう。
ストーリーを掲載している会社のホームページをじっくりとみてどのようなライティングが人の心を引き寄せるのか研究すると非常に勉強になる。参考になるストーリーページを以下にあげることにしよう。
【スターフライヤー】
https://www.starflyer.jp/recruit/project_03.html
スターフライヤー採用ページ
【マツダ】
http://www.mazda.com/ja/innovation/stories/
マツダのブランドストーリー
【小川忠洋公式サイト】
http://www.ogawatadahiro.net/profile/
ダイレクト出版株式会社の代表取締役の公式サイトのプロフィールページ
色んながストーリーがあるのだが、良いストーリーに共通していえることは、人生や企業歴史の波を感じることだ。ジェットコースターのように波がありストーリーを読み進めていて飽きないし、感情移入していく。
3分後に読み終えた頃には、何かその人や企業のことをたった3分前よりも随分と知っているような気になる。これこそストーリーマーケティングの醍醐味ではないだろうか。
ストーリーマーケティングというと大きな感動をよぶものを想像するがそういったものは必要ない。
ターゲットとの距離感を縮めるためのストーリーがあればそれで十分。どんな人でも企業でもそんなストーリーの1つや2つはあるものだ。
さぁ、あなたもストーリーマーケティングをしよう。