競合他社のWebサイト分析をしているだろうか?競合他社のWebサイトを分析することで、その企業がどのような戦略をとっているのか垣間見ることができる。
分析といっても単純にWebサイトを見比べるだけではなく、今は競合他社のアクセス数やどういったところから流入しているのかなど、その実態から分析することができる。それを可能にしたツールがSimilarWeb(シミラーウェブ)だ。
ぜひとも時間を作って一度は競合他社のWebサイト分析をやってみていただきたい。
シミラーウェブはイスラエル製で、競合サイトのアクセス状況などを丸裸にしてしまうツールだ。しかも無料で使うことができる。有料のプロ版もあるが、無料版だけでも十分に機能として使えるのでまずは使ってみよう。
下記URLからシミラーウェブにアクセスできる。
シミラーウェブ:https://www.similarweb.com/
左上のバーに調査したいWebサイトのURLを入れ、虫眼鏡マークをクリックしよう。
そうすると以下のようにそのサイトの情報が出てくる。
見ることができる情報は、
セッション数、滞在時間、1セッションあたりのページビュー数、直帰率、流入元などが主なところである。
セッションというのは、1回の訪問と考えていただければ問題ない。左側のグラフが直近6ヶ月のセッション数の推移で、右側の数値は一ヶ月の値だ。
セッション数の単位Kは1000であるから上図の例で、92.80Kは92,800の訪問があったことを示す。Mの場合は1,000,000であるから、1Mとなっていれば100万の訪問があったことを示す。
ちなみにアクセス数はセッション数×1セッションあたりのページビュー数なので、上図の例では45万ページビューということになる。
流入元は少し下にスクロールするとグラフで見ることができる。
ちなみに流入元についてそれぞれ説明すると以下の通りである。
・Direct・・・直接URLを打ち込む、ブックマークなどからきた場合
・Referrals・・・他サイトに貼られたリンクがアクセス元の場合
・Search・・・検索結果から訪れた場合
・Social・・・SNS経由でアクセスしてきた場合
・Mail・・・メールのリンクからアクセスしてきた場合
・Display・・・ディスプレイ広告などからアクセスしたきた場合
*Directには参照元が不明なものも含まれる。理由はセキュリティソフトの影響なども含み多岐に渡る。
さらにReferralsの内訳をみることもできる。
ではこのように競合他社のWebサイトの中身が見えたところで、どのようにして分析をするのかをご紹介しよう。
数値を眺めていると楽しいものだが、実際にどうやって分析にいかすのだろうか。
アクセスを集めるのに成功しているかどうかを見極めることで、どんなWebサイトが集客に成功しているのかがわかるようになる。一見素晴らしいWebサイトでもアクセスが全然集まっていないということはある。
競合他社のWebサイトを分析する上でまずはWeb集客に成功しているかどうかを調べよう。
ブログからの流入が多いWebサイトは、1セッションあたりのページビュー数は少なくなる。これはブログという性質上、アクセスは集められても、そのブログ1本をみたら即ブラウザを閉じられる傾向が強いからだ。ブログ1本見て課題解決できたらブラウザを閉じるというのはもっともなことだろう。
だから一概に1セッションあたりのページビュー数が少ないページが悪いということはないのだが、ブログをやっていないWebサイト同士を比較して一方が極端に数値が低ければ、ユーザー目線で何か大きな違いがあると考えることができる。
例えば流入元でSocialの占める%が多ければSNS戦略がうまくいっていると推測できる。その企業のSNSをマークすることで成果の出せるSNS戦略が見えてくるだろう。
DirectもReferralsもSocialもほとんどなく、流入のほとんどがSeachであれば、もしかしたらファンづくりに失敗しているのかもしれない。人気のある企業は大抵、DirectやReferralsやSocialの数値がある程度あるものだ。
Mailからの流入があればメルマガ戦略をしていることがわかる。であればどんなメルマガを出しているのか、登録してみるというのも手だろう。
Referralsの内訳を見ると、「あ、このサイトはここで紹介され、これだけのアクセスがあるのか」とか「この企業はこんなWebサイトも運営しているのか」というのが見えてくる。それが意外と面白い情報だったり、戦略のアイデアになることもある。
人気のある競合他社複数と自社のデータを色々比較してみよう。滞在時間が自社だけ極端に低かったり、直帰率が高かったりすると、何か問題があると考えることができる。
何に問題があるのかは競合他社のサイトをじっくりと分析してみると色々と気がつくことも多い。例えば、ファーストビューが圧倒的に弱い、UI(使い勝手)が悪い、スマホ対応が不十分ですぐに離脱されるなど。
ところでシミラーウェブの情報はどこまで信憑性があるのだろうか?
シミラーウェブの情報はあくまでも推測値である。データの取得方法としては、テレビの視聴率と同じようにユーザーからの情報提供や、独自のクローラーによる情報収集、インターネットサービスプロバイダからの情報提供によって成り立っているようだ。(参考:https://www.similarweb.com/ourdata)
実際に弊社が運営しているサイト(ブログ)のアナリティクスデータとシミラーウェブのデータを比較してみた。
滞在時間と直帰率が大きくずれているが、それ以外はまずまず参考にはなる程度の数値は取れているようだ。
他のサイトでも比較してみたが、
アナリティクスに対してシミラーウェブは以下のような数値っであった。
セッション数:4万 → 3万
滞在時間:2分35秒 → 1分30秒
1セッションあたりのPV:5.12 → 3.5
直帰率:42% → 38%
*左がアナリティクス、右がシミラーウェブ
正直、精度は微妙なところもある。しかし、シミラーウェブを使うことで、競合他社がどんな戦略をとっているのか、どんな傾向にあるのかを知るには十分ではないだろうか。シミラーウェブは非常に簡単に使える無料ツールであるので、一度競合他社を数社ピックアップしてデータを比較してみていただきたい。
本記事を参考にデータを見ていただければ何か気づくことがあるかもしれない。