集客するためには何かしらの媒体を使う必要がある。
媒体を「ある人と情報Aとをつなぐもの」と定義すると、口コミは人が媒体になるし、店舗であれば看板が媒体になる。
そう考えると集客のために必要なのはターゲットがどこにいるのかを知ることである。
地理的な場所だけではなく、行動習慣などを調べ、どこに出向けば接触できるのかを知ることから集客は始まる。
お客様はどこから情報を得ているのだろうか?集客するための適切な媒体を突き止めることで、接触のチャンスが格段に大きくなる。
情報源(媒体)にはどんなものがあるか考えてみよう。そしてあなたの会社のお客様はどの情報源に接触することが多いだろうか。
【情報源(媒体)の例】
・口コミ
・店舗
・雑誌や新聞などの紙媒体
・サークルやファンクラブなどの特定の集まり
・SNS
・インターネット広告
・ポストに投函されたチラシ
・電車内広告や該当看板などの広告
・メール
・電話
・訪問営業
これらの中でもさらに細分化されるだろう。口コミといっても友人なのか、主婦仲間なのか、会社の中でなのかの違いもある。例えば、主婦仲間は午前中カフェに集まり、子育てについて情報交換をしている光景はよく見るが、会社の中でそういう光景はあまり見られないだろう。起業家が集まるコミュニティ内で口コミは学生時代の友人間での口コミとはまったく違うことはたやすく想像がつく。口コミといっても誰と誰が話しているか、その関係性によって話の属性はまるで変わる。
どこでどのような形であなたの会社の情報に触れてもらう機会があるかを考えよう。
では、情報源を突き止めた上で、ターゲットにどのように接触していけばいいのか、そのコツを4つ解説したい。
一度情報に触れただけでは人は動かない。もちろん動くこともあるが、それは完全にニーズとタイミングがマッチした上で、人を突き動かすような見せ方・伝え方ができたときぐらいだろう。
そんなに簡単に人は動かないから、情報は何度も見せる方がよい。
Webサイトであれば、一度来たら、記憶してもらい、また戻ってきてもらえるような、わかりやすさと印象深さが重要である。
もしテレビであなたの会社のことが放送されたら、多くの人がホームページを閲覧しにくるだろう、そしてそれが二度目の接触になる。(ただ出演の仕方によってはまったくアクセスされない。筆者も過去にとあるプロジェクトで何度か出演した経験があるが、爆発的なアクセスを期待した結果、とんでもなく寂しい思いをしたこともある。)
このとき、テレビでの見え方とホームページの見え方がまるで違うと人は違和感を感じる。接触回数を増やすことは効果的で様々な媒体で接触することが有効なことも多いのだが、ただ媒体ごとにカラーが異なるのは、結局相手から見て何を言いたいのかわからないということになる。人の思考には論理的な分野と感情的な分野がある。例え同じことを書いてあっても(論理的に理解できることは同じであっても)、デザインの方向性が違う(感情的な訴求が違う)とどう受け入れて良いのかわからなくなる。
結果、目の前にあるものを信用することはなくなる。
クリック率の高いインターネット広告や、興味をそそるチラシをつくることと、転換率の高い訴求をすることは異なる。
転換率というのは、購入率だったりお問合わせ率のような、ただ広告をクリックするだけではなくその後、顧客化に向けて有効なステップを踏んでもらえるまでの確率のことをいう。
クリックされても顧客化しなければ何も意味がない。重要なのは転換率である。
例えば電話営業は「忙しいときに電話なんかかけてくるな」となることも多いだろう。そもそも担当に繋いでもらえる確率も低い。しかしメールでは気になるタイトルさえ付けることができれば、どんなに忙しくても好きなタイミングで見てもらえる。
そしてメールで最高の訴求ができれば、しっかりと読んでもらえ、次のアクションへと繋げることができる。テレアポが悪いというわけではなくあくまでも訴求する内容によっては、効率の良いツールと悪いツールがあるということの一例に過ぎないが。
接触方法を考えるときに重要なのは、相手に接するタイミングと状況である。テレアポは相手に電話をかけてよいタイミングを考えるのには限界があるし、相手がどんな状況にあるのか、あなたが売りたいと思っているものに興味を示す状況なのかすらわからない。そしてテレアポでは相手は必ず構える。当然だ、今からまさに営業されようとしているのだから。逆に筆者がテレアポが優れていると思うのは、相手の状況に応じて柔軟にコミュニケーションをとることで次のステップへ誘導できることだ。
SNSでコンテンツを配信することはどうだろうか。その情報に触れるのは相手がSNSを開いたそのタイミングであるし、ふと流れてきた内容に興味があれば自ら飛び込んでいくだろう。一方で、SNSは流し見する傾向にあるので、一瞬で興味をひく必要がある。
ユーザーが自ら興味を持ってWebサイトに訪れてくれる場合はというと、ユーザーが情報を求めて能動的にアクセスしてきているので、これはかなり質の高い接触となりうる。
情報のとり方が能動的か受動的かあるいは強制的かで相手の読み取り(聞き取り)能力はまったく違うレベルになるだろう。聞きたくも見たくもないものを見るとき、人はいかにしてそれを避けるかを考えながらそれに接する。
人はときに「何を言っているのか」ではなく、「誰が言っているのか」に大きく反応する。誰が言っているのかによって自分の考え方をいとも簡単に変えてしまうものだ。
あれだけ持論を主張していた人が翌日急に真逆のことを言っていたということはないだろうか?それはその人の中の権威ある人が、真逆のことを言っていることを耳にしたからかもしれない。
持論というのはある意味でその人の信念が通っている考え方のことである。その人に対して影響力のない人がその信念を曲げようとしても無駄だが、影響力のある(権威のある)人の話はその人の信念を曲げうる。
権威ある代弁者を立てるとは、その分野で多くのファンを有している権威ある人に自社商品を訴求してもらうということだ。これはインフルエンサーマーケティングとも言われる。(インフルエンサーとは影響力のある人のことを指す)
この場合、つまりインフルエンサーが媒体となるのである。
どんなに結果を残してきた人であってもテストの重要性を無視し、自分の力を過信したりはしない。テストはすべてを物語る。どんなに優秀なマーケターが言うことよりもテストの結果が一番市場の反応を的確に反映している。
ただ忘れてはならないのは、テスト結果を正しく分析でき、それを受けて正しいアウトプットを出せるかどうかだ。つまり適切な仮説と検証を繰り返すことが重要であり、それが本来あるべきPDCAである。なんとなく機械的にPDCAを回すことは、非常にもったいない。
(極力避けるものではあるが)失敗をするのはある意味で大前提だ。迷わずテストを繰り返そう。優秀なマーケターは企画力もすごいが、自分の力を過信せず市場の反応を素直に読み取り、テストを繰り返す能力が素晴らしいのだ。
あなたはどんな媒体を使うべきだろうか?
媒体にマッチした効果的な訴求方法で転換率の高い訴求を実現し、効率的に集客していこう。