価格という指標は数字で比較できるので非常にわかりやすく、なおかつ人の心を動かす力がある。
どの業界でも価格競争はあるし、価格をまったく気にせずにサービスを購入・契約するのは一部のセレブぐらいだろう。特に個人の購買活動ではなく、企業における購買活動ともなれば予算は付き物であるし、社内決裁をとる際に価格の妥当性を説明する必要がある。
ところで、少しWeb業界の話になるが、Webサイトの制作は価格に非常にばらつきがあると思わないだろうか。それはなぜかというと、Webサイトというのはあくまでもオーダーメイドのビジネスツールだからだ。オーダーメイドであるがゆえ、何を提案するのかによって価格に差がつきやすい。
それに加えて、原価のほとんどが技術料であるWeb制作は各社技術に対する値段の付け方が違うので、やはり価格に差がつく傾向にある。
実はこれはWeb業界に限った話ではなく、多くの業界であることだ。
人材育成などのコンサルティングにしても価格に大きな差がある。美容室でもそうだ。3,000円でカットしてくれるところもあれば6,000円のところもある。価格差は倍だ。そしてカットが6,000円の美容室はそう珍しくもないし、3,000円のところもよく見かける。
これらのように技術料で成り立っているビジネスは誰がやるのかによって大きな差が出てくることが多い。それは技術料を買うというのは、期待を買うことに他ならないからだ。
3,000円でカットされた髪型と6,000円でカットされた髪型を代金を支払う前から確認することはできない。結果を確認できることができないものには相場が付きづらい。
逆に買う前からそのサービスが自分に何をどのくらいのレベルで与えてくれるかわかるものほど、相場が決まってくる。目の前にあるペンを買えば自分の生活で何が実現できるようになるかは明確だ。そこにいくら支払うのか、相場は流通が進むと同時に決まってくる。
ここまで考えると、価格競争に飲まれず戦うためには、ユーザーの欲求が実現できるという期待値をあげられるような提案が必要だということがわかる。
あなたの会社は、Webサイトを通してそんな提案ができているだろうか。