商品やサービスに人が介在しないものはないが、インターネットショッピングやどこか代理店で購入するなど、商品に関わっている人と、ユーザーとの距離が遠いことはよくある。この距離が遠いほど、ユーザーに届くブランドパワーは減衰しやすいのではないだろうか。
例えばApple製品は家電取扱店にも置いているが、Apple製品はAppleストアで買いたいし、Appleブランドを全快に感じながらショッピングできる方が気持ちがいいものだ。ちょっとこれは個人的な見解もあったかもしれないが、スーパーで売っている野菜にしたっては誰が作ったかわからないものは、ただの野菜としか思わない。
しかし、最近は誰が作ったかわかるようにポップを立てている野菜コーナーもあり、一定の信頼感を与えることができる。これには、食の安全を求める消費者心理が背景にあるが、生産者の顔が見えれば、ユーザーと生産者の距離感が少し近くなったように思うことから、一定の効果がある。
また、以前、陶器を製造している企業が陶器の製造工程をとても美しい動画にまとめてWebサイトにアップしていたが、これにはその商品イメージを強烈な印象として記憶させられた。
ブランド訴求のプロモーションとして、商品企画者や製造工程に関わる人達が、Webサイト上に記事や動画で登場するパターンは最近よく見る。肝心なのはプロモーションといってもそれら自体が売り込みではないことだ。
あくまでもユーザーに純粋に楽しんでもらったり、有用な情報を得てもらったりする場であり、あからさまな宣伝の場になってしまうことは避けた方がよい。ユーザーと企業のコミュニケーションの距離感は、友人関係のコミュニケーションのそれと同じで、相手に親しく思ってもらえる距離感がある。
お互いにとってよい距離感のとり方があるはずだ。
Webサイト運用者は、Webサイトという媒体の以前に、ユーザーと自分たちが人として繋がっていることを念頭におき、プロモーション活動にあたりたい。