Web制作会社にも様々なパターンがあり、コスト重視の制作会社もあれば、スピード重視も制作会社もあるし、提案重視の制作会社もある。
それぞれに特徴があるので、その分満たせるニーズもそれぞれあってよいのだが、本来Web制作会社に求められるスキルとはやはり提案能力ではないだろうか。
もちろん提案したものを再現する能力はマストだが、それは大前提事項とする。
提案能力がなぜ必要かというと、Webサイトというのはあくまでもビジネスツールだからである。しっかりと集客したりコンバージョンできるWebサイトでなければならない。しかし集客もコンバージョンもそう容易い話ではない。Webサイトをただ持っていればいいわけではないし、いいデザインだからいいというものでもない。
ターゲットの動きを予想してしっかり集客やコンバージョンまでの道のりを設計できなければならない。もちろん一発で成功しないかもしれない。そのときは最速でPDCAを回してよい結果が出るように仕掛けていかなければならない。
そういったことができるのは提案能力のあるWeb制作会社だ。提案能力のあるWeb制作会社はヒアリング能力も問われる。Webサイトはビジネスツールだと先述したが、補足するならオーダーメイドのビジネスツールである。つまり、クライアントからのヒアリングを通してクライアントのビジネスモデルや強みを理解し、どのようなWebサイトを制作するかを決めていかなければならない。
逆に言うとヒアリング時点でビジネスモデルや強みなどを何も聞かずに、予算やどんなコンテンツを作りたいかなど、コンサルティング要素が欠落している場合は、提案に力を入れている会社ではないかもしれない。
ヒアリングの段階で制作会社がどこまでの提案をしようとしているかわかるだろう。
よくトップページのデザインを提出して欲しいと言われることがある。しかし、デザインだけに気をとらわれないようにしよう。デザインは好みではない。あくまでもユーザーにとってどうなのかを考えなければならない。
デザインがダサいからといってリニューアルしてカッコイイデザインにした途端に売上がさがったというWebサイトも実際にある。
デザインだけに気をとられてしまい、戦略が何も見えていない提案を採用しては、Webサイト制作がただの自己満になってしまいかねない。
しかし、Web戦略が明確な提案を受け入れて制作することで、仮に結果が出なかったとしても明確な戦略があるので軌道修正して部分的に改修、再度検証することができる。
つまりWeb戦略があると例え失敗しても次の戦略を打ち立ててPDCAが回せるということだ。戦略がなければ仮説がないのでそもそも何がダメだったのかしらわからず露頭に迷いかねない。
Web制作会社はクライアントの意見を無視することはできない。制作会社はWebのプロであっても、クライアントの業界については無知だ。クライアントが勝負する業界のことはどれだけ調べてもクライアントの方がプロフェッショナルなのは疑いの余地がない。
だから制作会社はクライアントの意見を充分に尊重する姿勢で提案活動をしなければならない。クライアントの意見には様々なヒントがあるのだから。そういった意味でクライアントから様々な意見を引き出す能力も制作会社には求められる。
クライアントからのヒアリングやデータを通して現状の課題分析や業界分析を実施し、スマートな戦略提案を制作会社はしなければならない。
制作会社に求められるスキルをまとめたが、企業のWeb担当の方が今後制作会社を選定する際の参考になれば幸いだ。