Web運用は見える化しておかなければ途中で何のために何をしているのかがわからなくなってしまう。今自分たちがいる場所やこれからやっていかなければならないこと、それらのリソースがどのくらい必要なのかもわからない。
そしてWebというと華やかに聞こえるのだが、実際に企業が取り組むことは地味だったりする。ノリでやって成果が出るほど簡単なものでもない。地味な作業でかつ目の前が見えていない状況は担当者のモチベーションにも大きな影響を与えるだろう。
それではどのようにしてWeb運用を見える化していくのだろうか。
一つのWeb戦略は短期間で完結するほど簡単なことではない。集客がゼロの段階からであればそれなりの期間を要するし、やることも思っているより地味なことが多いだろう。
見える化していなければ何がどのくらい進んだのかわからないし、自分たちがやっていることが本当に良い方向に向かっているのかがわからなくなってくる。このことがモチベーションに大きな影響を与えることは先述したが、WebサイトというのはPDCAを回していくことで成長していくものであり、戦略を途中で見失うとモチベーションどころかPDCAがとまる。
チームで動いている場合はそれぞれの課題意識に除々にズレが出てくることもある。戦略の基本的なところを常に共有しながらPDCAサイクルの中で蓄積されてきたものを誰でも確認できるようにしておかなければならない。
ではWeb運用の見える化とは具体的に何を見える化することを指すのだろうか。
シンプルにまとめると指標(KGI:最終目標とKPI:中間目標)と戦略と進捗である。
指標はいつも冷静で感情によってぶれることはない論理的な数値だ。達成すべき数値であり、Web戦略のもとなる部分である。Webは中長期的な戦略も多く、なかなか大きな成果が出ない(KGIが達成できない)と戦略に対して疑いを持つようになるが、KPIのように最終目標の間に儲けられたいくつかの中間目標を管理することで、最終目標に近づいていることを評価できるだろう。
戦略にはこれから先やっていくべきことがまとめられている。何をやらなくてはいけないのか明確に見えることで露頭に迷うことがなくなる。中長期的な戦略においては、「本当にこれで良いのだろうか」という迷いが生じることはよくある。そんな時に目の前の道が見えるのとそうでないのとでは雲泥の差だ。人がやる気を失ってしまっては戦略は実行できない。
進捗とはこれまでにやってきたことの成果が盛り込まれている。何がどれくらい進んだのか、自分たちの過去の努力がどれくらい数字になっているのか見えることはモチベーションにおいてもPDCAサイクルにおいても重要だ。
自分たちが今までにやってきたこと、そしてそれらのことがどのくらい貢献できているのかを確認し、これから何をやっていくべきかなのかを見えるようにするのがWeb運用の見える化である。
Web運用の見える化は、
・作業者のモチベーション維持
・正しいPDCAサイクルによる成果への貢献
において重要だ。
作業者は日々の忙しさの中で自分の貴重の時間を使ってやったことがどれだけのものを生んでいるか気になっている。自分のやってきたことがただただ時系列的に過去に流れていくのではなく、未来につながるものになっているかを知りたいのだ。何の仕事にしてもそうであるが、Webのような多忙で多岐に渡る仕事の中で、見える化されていなければそれらを認識することもできないだろう。
そして当然正しいPDCAサイクルは成果を生むし、そのためにはやってきたこととこれからやることが各部署間において見える化されてなければならない。
せっかく立てたWeb戦略をなんとなく遂行していないだろうか。KGIとKPIを設定し、戦略と進捗を見える化してWeb戦略を遂行することはスピーディーかつ質の高いPDCAを生み出すだけではなく、担当者のモチベーションにもつながる。