Web担当者はどのような姿勢でWeb制作に臨まなければならないのだろうか。
本記事では、よいWebサイトをつくるために心得ておきたいWeb担当者としてのあり方について書いていく。
Web担当者のあり方を大きく2つに分けるとしたら、丸投げする担当者と、積極的にWeb制作に参加する担当者に分けられるのではないだろうか。
丸投げしていても作ってくれるなら楽かもしれない。
しかし、Webサイトというのは、あくまでもビジネスツールである。将来お客様になるかもしれない人がインターネットの向こう側から覗きに来ているのだ。見られているという実感はないかもしれないが、実際は見られている。しかもお客様候補に…である。
そんな重要なビジネスツールを外注に丸投げしていてよいのだろうか。
綺麗なWebサイトを作ることだけであれば確かにそれで問題はないだろう。しかし大切なのは、綺麗なWebサイトを作ることではない。
Webサイトは戦略の上に作られていなければならないし、その戦略があって、お客様候補を顧客にすることができる。
もし丸投げでいいか…と思っている方がいたら、積極的にWebサイト制作に参加する姿勢を持っていただいた方がよいだろう。また、そういったことをクライアントにまず理解してもらうように促すのも制作会社の仕事であると感じている。
たまに、企業の決裁者とWeb制作会社との間で情報を中継ぎすることがWeb担当者の仕事になってしまっているパターンを見かける。
「上の者がこういうのでこうしてください」と、そんなことが。
しかし、これは制作会社の立場からすると「クライアントの真意が読めない」、「戦略が十分に練られない」といった大きなロスを生む可能性がある。
あくまでもコンテンツを持っているのはクライアント側であり、制作会社というのはクライアントから得た情報を中心に、クライアントと将来のお客様を繋ぐためのWeb設計図をつくるのだと考えていただきたい。
そう考えたときに、制作会社の窓口であるWeb担当者にはかなり重要な役割があることがわかる。
自社の戦略を理解し、Web設計図の基となる情報を制作会社に渡すことだ。
「上から言われたから」と制作会社にいうのは無しだ。
それではただの伝書鳩になってしまう。
もっと重要な仕事をWeb担当者はしているのだ。
Web担当者には社内調整という仕事もある。
Webに関して理解のある企業とそうでない企業はハッキリと分かれる。
理解のない企業、つまり決裁者があまりWebを重要視していない、あるいは、とりあえず見てくれが整っていればOKだと考えている企業は、まずWebサイトの重要性を理解してもらうことが、Webサイト公開までにおける仕事をスムーズかつ意義のあるものにするためにしなければならないことだ。
もちろん、この時、大いに制作会社を利用してよいだろう。必要なら役員の前でプレゼンしてもらうことも要請してみよう。
そうやって上の決裁者たちに理解をしてもらうことで、社をあげてのプロジェクトであることを認識付ける。これが、社内各部署から情報を収集する際にもスムーズな連携を生むことになるのだ。根回しの概念に近い。
餅は餅屋、という言葉があるように、Web制作はWebのプロに任せるというのはもちろん間違っていないが、丸投げするのは違う。
餅屋も良い材料がなければよい餅屋にはなれない。