認知活動には様々な方法があり、費用も無料のものからそれなりの予算を必要とするものまである。
無料にせよ有料にせよ、認知活動の施策を打つ場合に大切なのはターゲットについて深く知ることである。広告を出すのであればキャッチコピーはターゲットにとってメリットを感じられるものである必要があるし、口コミで認知拡大するのであれば、ユーザー同士のコミュニケーション手段や何がホットなのかを知る必要があるだろう。
それでは実際に認知活動を促進するために、どのような手段があるのかを見ていこう。
自然検索流入とは広告やSNSではなくユーザーが任意でキーワードを打ち込んで検索した結果の流入数である。
Webで認知を集めるためにはSEO対策が欠かせないが、SEO対策とはまず何であろうか。
サイトにテーマ性を持たせることはユーザーにとっても検索エンジンにとっても非常に重要で価値あることだ。
例えば難関校対策専門の高校学習塾なら、学習塾×難関校×高校生というテーマを元にサイトの構造を考えていくのがよいだろう。テーマに関係のないコンテンツは極力入れず、テーマの統一をしていく。
テーマの異なるサービスがあればサブドメインか別ドメインに切ってしまうのがよい。
クローラーというロボットがサイトを巡回し情報を収集していく。サイトを巡回する際に、サイト内の各ページのリンクを辿りそのサイトを網羅するような形で情報収集すると同時に、サイト構造や階層についても理解をしている。
クローラーが収集したデータをもとに、ユーザーの検索キーワードに対して適切な結果を返すが、そこに検索アルゴリズムが存在する。この検索アルゴリズムによって検索順位が決まるが、そこで重要とされるのがテーマ性と適切な構造だ。(アルゴリズムそのものは公開されていない)
とはいえ、Googleがサイトを評価する指標は様々あるので、何か1つのことが劇的に変化を与えるほどSEOは単純ではない。しかし、ページやサイトのタイトルは検索結果にダイレクトに響いてくるし、構造がサイトのテーマ性を高めるものになっているか、そしてしっかりしたコンテンツがあるかどうかは重要な指標である。
ユーザーがどんなワードで検索してくるかを考えた上でキーワードを設定しなければならない。例えばジムであれば、ジムかフィットネスでどちらがよりユーザーに検索されやすいかを調べる必要があるだろう。
SEO対策においてテキストに含めるワードや見出し設定などの文章構造は非常に重要である。
SEOとはGoogleのクローラーに正しく情報を伝えることがまず大切であり、そのためにどのような書き方をすべきかを編集者自身が知っている必要がある。
この辺は制作会社と相談しながら文章を作っていくのがよい。
広告も様々であり、代表的なものに
などがある。
リスティング広告は例えばGoogleなどの検索画面で、ユーザーの検索キーワードに応じて適切な広告を表示する仕組みである。
リスティングはテキスト形式の広告なので、以下にキャッチーな文章を作れるかが勝負になってくる。予め広告を表示する検索キーワードを設定するので、その検索キーワードを打つターゲットにとってどんなメリットを提示するのが一番効果的であるかを考える。
こういうテキスト一発でクリックされるために必要なのは、想いではなくメリットの提示である。ただ認知してもらうだけではなく、認知の質は求めよう。
バナー広告は画像を使った広告で、他社メディアに埋め込まれる形でPRされる。バナーに挿入するコピーとイメージで、視覚的にも文章としても訴求ができる。
バナー広告はデザイナーの腕の見せどころである。インパクトがあるデザインにしなければ目にとまらないと考えてよいだろう。求められるのは綺麗なデザインではなく、インパクトである。
リスティングと異なり、ユーザーの検索ワードに対して広告を表示するものではないが、SNS広告はターゲットの属性を性別や地域だけでなく、思考や役職などまでに絞り込むこともできるため、リスティングではアプローチできない層に広告を届けることができる。
単なる広告という使い方もあるが、Facebookページなどへ誘導していいねを押してもらう用途としてもよく使われる。いいねしてもらっている状態はユーザーのフィードに情報を届け続けることができるので、特にコンシューマー向けの商品を扱うなど企業などは相性がよいだろう。
広告の使い方は様々であるから、どのようにユーザーにアプローチしていくべきか考える必要がある。ランディングページに飛ばすだけでなく、資料ダウンロードページに飛ばす方法もありだし、企業公式アカウントページに飛ばすのもありだ。様々な手段から必要な戦略を選定しよう。
タイアップコンテンツは、他社メディアで自社やサービスのことを記事にしてもらったり、共同企画として配信してもらう手法である。
タイアップ先がアプローチできるーゲット層やボリュームを把握しておくことはもちろん、タイアップ先のイメージが強くなるので、それにその企画がマッチしているかを検討する必要がある。
タイアップ先のお墨付きとして情報が配信されるので、しっかりタイアップ先を選定できれば高い影響力を期待できる。
口コミが広がるような仕組みを仕掛けることができたら、それは費用を最低限に抑えながら認知度を広げるための強力なツールを手に入れたことになる。
これを仕掛けるためには市場の通例や風習を理解し、市場の中でユーザー同士がどのようにコミュニケーションを取っているかを把握することが重要である。
例えば今はSNSに自分が経験したことをシェアする習慣があるので、SNSを通じて口コミを広げる施策もある。あえてインスタ映えするようなメニューを作るなどは飲食店ではあることだ。また学習塾など教育系については、学生同士だけではなくむしろ母親のコミュニティにアプローチすることは忘れてはならない要素である。
また、口コミは昔と違って写真や動画など、口コミの内容を証明するものが多くなってきているので、これからの口コミのあり方には注目していきたいところだ。
ちなみに、上述したものはユーザー同士の自然発生的な口コミだが、企業側が仕掛けるものもある。ハッシュタグをつけてSNSに投稿したら◯◯が当たる、のようなキャンペーンや無料イベント招待の変わりにリツイートやいいねをしてもらう施策など。Webマーケティングから乖離するが、福利厚生として企業にサービス提供した後、それを利用した社員同士の間で広がっていくパターンもある。
認知活動に成功して、あなたのWebサイトやSNS公式アカウントに膨大なトラフィックを得たとしよう。しかし、アクセス自体を稼いでもその後のナーチャリング(育成)や行動促進に繋がらなければ意味がない。
認知数はあくまでもKPIの一つであり、最終的なWebのKGIを決めてそこまでのアプローチを戦略的に考えておこう。