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Webデザインの3つの側面から考える意味のあるデザインとは

Webデザインの3つの側面

Webデザインは、情報伝達、操作性、そしてアイデンティティ表現の3つの側面を考えながら制作を進めていく必要があります。この3つの側面を理解することで「なんとなくかっこいいデザイン」「デザインというよりはアートになってしまっている」ような状況に陥ることを阻止し、意味のあるデザインをすることができると私は考えています。

情報伝達としてのWebデザイン

デザインは特定のターゲットに対して“最適に加工された情報コンテンツ”の側面を持ちます。購買活動をする(するかもしれない)ターゲットに対して、その商品の情報をどういう側面から切り取り、そしてどう見せるかが情報伝達としてのデザインです。

例えば掃除機であれば、吸引力なのか、コンパクト性なのか、アタッチメントの豊富さなのか、どの側面を切り取るかによってその掃除機が誰のためにあるのかをはっきりと区別できます。これが情報の切り取り方ですが、切り取った情報をどう魅力的に情報伝達するのか、これもデザインの大きな役割です。デザインの手法について、ここで文章で例を出すのは難しいですが、常に意識するのは情報の強弱・メリハリです。

基本的にWebで細かく情報を見ようとする人はそもそも購買意欲がある程度高い人です。購買意欲がまだ低い人(とりあえず下調べ程度に見に来たというレベルの段階)には、パッと見て何を言っているのか、何が良いのか、それを伝えるデザインにしなければなりません。そのため情報の強弱・メリハリが重要で、過剰なぐらいが一番ちょうどよく伝わるのだと思っています。例えばアコムのWebサイトでは金利0円の「0」が特大サイズでデザインされ、誰がどう見ても一瞬でわかるようになっています。

操作性としてのWebデザイン

Webデザインをする上で、“操作性”は外すことができません。

Webデザインは情報伝達するだけでは足りず、伝えた後ターゲットに行動をしてもらい、コンバージョンしてもらうことが重要です。その時に必要なのが操作性です。いくら情報がうまく伝わり購買意欲を高めることができても、操作性が悪いWebデザインは離脱の可能性をあげる要因にしかなりません。

操作性については2つに分けて考えることができるでしょう。1つは容易に操作できること、もう1つは、ユーザーの操作感と実際の反応が一致することです。

操作性の良いWebデザインとは、例えばクリックやタップがしやすいサイズになっていることや、入力フォームが入力しやすいこと、ECサイトの検索窓にサジェスト機能あることなどです。入力フォームで意外と見かけるのは、(スマホからの操作で)電話番号を入力するところで、スマホが数字入力に自動的に切り替わらないようなWebサイトです。ユーザーがいちいち自分で数字入力に切り替えなければならないのは面倒です。Webデザインは紙媒体とは異なり、スマホやPC、タブレットというインタフェースを1つ挟むので、それらの特性を理解しておかなければ、思わぬところでユーザビリティを損ないかねません

ユーザーの操作感と実際の反応の一致とは、クリッカブルなものは見た目でクリックできるものと判断できることや、クリックした先に求めていた情報がしっかり存在することなどです。できるだけユーザーの操作感とのミスマッチをなくすことで、最短で情報にたどり着けるユーザーインターフェースを提供したいものです。

アイデンティティ表現としてのWebデザイン

人はアイデンティティを自分の持ち物で表現しようとする一面があります。例えば車で自分のアイデンティティを表現しようとする人は、単純に高級車なのであれば何でも良いのではなく、自分のアイデンティティを表現するのがベンツなのかポルシェなのかBMWなのか、そこにこだわりを持っています。PCでMacを使っている人の多くもそれをアイデンティティの1つだと考えているでしょう。ファッションなどもそうです。

何を見につけるかが重要なのです。それが周囲の人に自分のアイデンティティを表現する重要な方法の1つなのです。そして自分のアイデンティティを表現するブランドだと認識するとそのブランドを購入し続けます。逆に自分のアイデンティティを脅かすようなものは身につけませんし、距離を置くでしょう。

Webの話に戻りますが、Webは形ないもので、それ自体がその人のアイデンティティを表現するものにはなりません。(自分がどんなWebサイトを見ているかを他人は知りえませんから。)ただ、自分が身につけるブランドのWebサイトを見た時に、それが自身のブランドアイデンティティを打ち崩すものであってはなりません。実際の商品とWebから感じ取れるアイデンティティは常に同期していなければなりません

デザインはセンスか

デザインには3つの側面があり、それぞれを理解することで、より意味のあるデザインを創ることができると書いてきました。最後にデザインはセンスなのかを少し考えてみたいと思います。

よくデザインが上手な人はよく「センスあるね」と言われます。私はWebデザインのような商業デザインを“センス”でまとめられるようなものだとは思っていません。センスよりもターゲットのことをどれだけ深く考えているか、そしてどれだけその商品についての情報を知っているかが一番重要なのだと思います。

その上で、やはりセンスも大切です。私はセンスは“ひらめきがどれだけ豊富であるか”を指す言葉でもあると捉えています。Webデザインのような商業デザインは、ターゲットや商品へのより深い理解によってデザインの土台が作られ、センスがそれを拡張するものだと思います。

我々のようなデザインをする人間は、ターゲットや商品としっかり向き合う姿勢と、常日頃からセンスを磨くための訓練が必要なのでしょう。